秋篠宮殿下は「暫定一位」 世界が下した“皇嗣”への冷静な評価 「愛子さま待望論」の行方は



文/宮本タケロウ

秋篠宮さまは暫定一位?

11月8日には“立皇嗣の礼”が、同月30日には秋篠宮殿下の誕生日が控えています。皇室の弥栄にとって、まことにめでたい11月です。ですが巷では、「秋篠宮さまは皇太子ではない」「秋篠宮さまは暫定的に継承順位1位であるだけだ」などと言われます。

確かに、令和となって“皇嗣”の身分となったとはいえ、立皇嗣の礼もまだ済ませておらず、また理屈の上では仮に今からでも両陛下に男のお子様(親王)が誕生すればその親王が天皇の直系男子として現・皇室典範上で継承第一位となりますので、「秋篠宮さまは暫定一位」という主張も一理あるように思えます。

また、「高齢での即位はできない」と秋篠宮さまがご発言されたという情報もあり、「秋篠宮さま自身が皇太子になろうとしていない」とする主張も散見されます。

秋篠宮さまは確定した皇位継承者なのか、それとも単なる暫定一位なのか…

なかなか難しそうな問題ですが、実は冷静に考えてみればさほど難しいことではありません。

少し調べてみると、秋篠宮さまは事実上の皇太子であって、少なくとも暫定一位というあいまいな立場ではないということが分かりました。

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皇室典範特例法にはこうある

詳しく説明しましょう。

現在の天皇陛下が即位した直接の根拠は上皇陛下が退位されたからですが、平成⇒令和の代替わりについての“天皇の退位等に関する皇室典範特例法”には“皇嗣”についてこのような記述があります。

平成二十九年法律第六十三号 天皇の退位等に関する皇室典範特例法

第五条 第二条の規定による皇位の継承に伴い皇嗣となった皇族に関しては、皇室典範に定める事項については、皇太子の例による。

天皇の退位等に関する皇室典範特例法(e-Govより)

一目瞭然、「皇嗣は皇室典範上、皇太子と同格になる」という内容です。

秋篠宮は暫定一位なのであれば、法律にこのような記載をする必要はありませんね。

では、秋篠宮さまが事実上の皇太子なのであれば、ハッキリと皇太子と呼べばいいのに、なぜ皇太子と呼ばないのでしょうか。

その理由は“皇室典範”の次の条文にあります

昭和二十二年法律第三号 皇室典範

第二章 皇族

第八条 皇嗣たる皇子を皇太子という。皇太子のないときは、皇嗣たる皇孫を皇太孫という。

皇室典範(e-Govより)

「皇嗣たる皇子を皇太子という」と書かれていますね。

秋篠宮さまは平成時代は天皇(現・上皇)の実子だったので、「皇子」でしたが、代替わり後は、あくまで天皇の弟にあたるので、「皇子」ではありません。

皇子ではないので、「皇嗣たる皇子を皇太子という」の条文は秋篠宮さまには適用されないのです。

これは最高裁判事を務め、皇室法の権威である園部逸夫の『皇室法概論』にも書かれています。

「皇嗣たる皇子」

その時々に現に皇位にある天皇の子であって、皇位継承順序が第一位の皇族を言う。(中略)

例えば、正仁親王(常陸宮)は昭和天皇の子であり同第六条の「皇子」に当たることから親王であり、仮に昭和時代に皇嗣となることがあれば、同第八条の意味でも「皇子」であり皇太子と称されることになるが、平成の時代になってから仮に皇嗣となった場合は、正仁親王は皇弟であり、(中略)同第八条の「皇子」には当たらず皇太子とは称されないことになる。

園部逸夫『皇室法概論』第一法規、2016年、525頁

「天皇の弟」は皇室典範上、「皇嗣たる皇子=皇太子」になれないということがお判りいただけたと思います。

天皇の弟は「皇嗣」

巷では秋篠宮さまが「皇嗣」と呼ばれるようになったことを、「即位するつもりがないから」や「皇太子ではない暫定一位だから」などと言われますが、法律を基に冷静に考えると、即位するつもりがあろうがなかろうが、天皇の弟は「皇太子」ではなく「皇嗣」という呼称が決まっているのが事実です。

皇室典範で「天皇の弟を皇太子と呼ばない」と決まっている以上、秋篠宮さまを「皇太子」または「皇太弟」と呼称するためには、皇室典範の改正をする必要がありますが、現実問題として皇室典範の改正をしようとすると、“女系容認”や“旧宮家復帰”また“女性宮家”など、様々な議論を招く可能性があり、収拾がつかなくなる危険性を伴います。

その危険性を排除し、スムーズに平成⇒令和の代替わりを実現するために「皇嗣」と呼びつつ、「皇嗣となった皇族に関しては、皇室典範に定める事項については、皇太子の例による」と定めたというのが、実際の所ではないでしょうか。

以上、皇嗣と皇太子の関係について述べてきましたが、法律の記載に立ち帰って、物事を冷静に見たいものですね。

世界が認めた「皇太子・秋篠宮さま」!

最後に、「秋篠宮さまは暫定一位」とか「秋篠宮は皇太子ではない」という主張は日本国内だけで行われている論点のずれたガラパゴス議論であることを紹介したいと思います。

海外では、秋篠宮さまはCrown Prince/皇太子と呼ばれており、単なるPrince/親王と読んでいる海外メディアは一切ありません。

画像を引用したポーランド大統領府のホームページやイギリスのDaily Mail紙(Web版)に“Crown Prince”として秋篠宮さまが紹介されているのが分かるでしょうか。

世界から皇太子として認められている秋篠宮さまがいるにも関わらず、この期に及んで、愛子さまが皇太子にでもなったら、世界から誤解を招いてしまうこととなるでしょう。

秋篠宮さまが無事に立皇嗣の礼をお済ませになること、また悠仁親王の健やかなご成長をお祈りしたいと思います。

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