「愛子さまが嫌がっても、ムリヤリ天皇にしてしまえ!」に優しさはあるのか? 女性天皇賛成派の人権意識



文/宮本タケロウ

「愛子さまを天皇に」という無責任な報道

昨年の11月に『デイリー新潮』で“「愛子さまを天皇に」という無責任な“報道”を懸念される天皇陛下と雅子皇后”という記事が掲載されました。

読んで字のごとくの内容で、「『愛子さまを天皇に』と騒ぎ立てるのは無責任である」とする記事です。

巷では今、「女性の天皇でもいいじゃないか」という感情論が横行し、「上皇さまが愛子さまを天皇にと望んでおられる」とのニセ情報さえ流れている。振り返れば過去には、上皇后美智子さまや皇后雅子さまへのバッシングもあったが、意図的に流された中傷も少なくなかった。

デイリー新潮「愛子さまを天皇に」という無責任な“報道”を懸念される天皇陛下と雅子皇后(2019年11月14日)

『デイリー新潮』はいわゆる愛子天皇派の「愛子さまを天皇に!」という感情論に苦言を呈します。

確かに昨今は特に女性週刊誌などで平然と「雅子さま」と「愛子天皇」という言葉が並列され、あたかも「雅子さまが愛娘の愛子さまを天皇にしたい」と思っているかのように誘導する見出しが多いです。

(女性自身)

デイリー新潮はこうした報道に「いくらなんでも両陛下や皇族方が愛子天皇を望んでいるわけがない」と、“愛子天皇論”を煽る不確かな報道を「フェイクニュースである!」と批判します(記事では「上皇が愛子天皇を望んでいる」という報道を批判しています)。

このところ「愛子さまを天皇に」や「愛子さまへの天皇教育開始」などの見出しのついた記事を週刊誌などで見かける。中でもびっくりしたのは「上皇さまが愛子天皇を望んでおられる」とする宮内庁関係を名乗る人物の発言だ。こういうのをフェイクニュースと言うのだろう。(中略)

皇位継承権を持つ悠仁さまを、事実上、排斥するようなことを上皇さまが口にされるようなことはあり得ないのである。

同上

無神経に「愛子天皇」と騒ぐのは、皇室に失礼

このように、『デイリー新潮』は皇室の方々が「愛子さまを天皇に」などと思っているはずもなく、憶測や興味本位で「愛子さま天皇即位!」をマスコミが言い連ねるのは皇室に失礼ではないかと述べますが、私もこのデイリー新潮の論調に賛同します。

なぜなら、皇族方はまずは現行法を前提に考えるはずであり、生まれた時から皇位継承者である秋篠宮さまや悠仁さまと違って、愛子さまは皇位を継承する前提で育っていないからです。

愛子天皇派は「直系長子の愛子さまが天皇に相応しい」と主張しますが、皇族方が「愛子さまを天皇に」と考えることは間違ってもありえないでしょう。

愛子天皇派への疑問

さて、ここで一つ疑問に思うことがあります。

それは、愛子天皇派は「現行法はおかしい」「男女差別ヤメロ」「男系を辞めて直系長子に変えるべき」と主張しますが、当の本人の愛子さまのお考えやご両親の天皇陛下・雅子さまのご意志は完全にオミットしていることです。

愛子天皇派は「現行法を変えて愛子さまを天皇に!」と主張するのに、どうして「当事者方の意見を伺え」とは言わないのでしょうか。

改めて言うまでもないことですが、愛子さまは皇位継承権がありません。法律を変えて皇位継承しない前提の人に皇位継承をしていただくならば、まず当事者の意思を確認するのが筋だと私は思います。

私がこう言いますのも、実はこの問題について、私にはある思い出があるからです。

男系派/愛子天皇反対派の論客として名が知れている私(宮本タケロウ)ですが、ある時、愛子天皇賛成/推進派の方と会話をする機会がありました。

その方を仮にAさんとしましょう。

Aさんは政治的立場はリベラル。現在の皇位継承は男女差別・男尊女卑であって、世界の潮流は直系長子なのだから、秋篠宮さまや悠仁さまではなく、皇室典範を改正して愛子さまに皇太子・天皇になって頂くべきだと考えており、私と次のようなやりとりになりました。

宮本「生まれた時から皇位継承者である悠仁さまに比べて、愛子さまは皇位を継承する前提で育っていませんよ。それなのに愛子さまを天皇にというのはおかしいでしょう?」

Aさん「でも、小泉政権下では皇室典範改正されるかもしれなかったわけだから、天皇陛下は愛子さまが天皇になるという思いはあったと思いますよ」

確かに、悠仁さま出生前の2005年、愛子さまがお生まれになって4年目に女性天皇の容認・直系長子を骨子とする有識者会議の案が内閣に提出されましたので、愛子さまが乳幼児の頃は両陛下は「将来愛子が天皇になるかもしれない」という覚悟はあったかもしれません。

しかし、同時に、その翌年に悠仁さまが誕生して、女性天皇・直系長子案はお蔵入り。愛子天皇即位は法理論上がなくなったというのが現実の流れです。私はこう言いました。

宮本「でも、愛子さまが4歳のころに悠仁さまが生まれたのだから、それ以来ずっと愛子さまも両陛下も愛子さまは天皇にならない前提で考えてきたはずでしょう?」

Aさん「でも、愛子さまは両陛下の側で育ってきたわけでしょう?陛下も『愛子には将来どのようになっても良いように育てている』と仰っていますし、『男系男子』と決まったのは女性に参政権もない明治時代のことですよ」

人権無視…愛子天皇派の驚愕発言

やはり、立場の違いがあって、なかなかかみ合わない会話が続きましたので、私は「少なくとも現行法は男系男子となっているわけだから、皇位を継ぐ予定のない人が皇位を継ぐようにするなら、その当事者の愛子さまのご意志を伺うのが筋だと思いますけど?」と言いました。

すると、思いもよらない答えが返ってきたのです。

Aさん「そういうものは聞く必要はないでしょ?『国民の総意』って憲法に書いてるんだから」

私は思わず絶句してしまいました。

なぜなら、“愛子天皇派”であるはずのAさんが「愛子さまの自己決定権なんかどうでも良いから即位させろ」と考えていると分かったからです。

愛子天皇派は“男系男子”に限った現行の皇室典範を「女性に男子出産を強要する制度」「国家的マタハラ」などと批判し、男系派の唱える“旧宮家の復帰”については「国民である権利を剥奪して皇室に入れる」「人権侵害」などと言うのにも関わらず、同時に「国民の総意があれば、愛子さまの意思など無視して良い」と考えているのです。

「愛子さまが嫌がってでもムリヤリ天皇にしてしまえ!」…これがリベラルを自称する人間の言葉でしょうか。

結局、愛子天皇派は「私が愛子さまがイイから愛子さまがイイの!」「男女差別がヤなの!」程度の考えしか持っていないのだなと思い、私はAさんとのやり取りを打ち切りました。

愛子さまのご意志を尊重するべきでは?

このサイトの読者のには「愛子さまを天皇に!」と考える人が多いと思いますが、皆様、いかがでしょうか。

愛子さまに皇太子になって頂くにせよ、そうでないにせよ、いずれにせよ、まずは当事者である天皇陛下や皇族方のご意見を伺うのが筋ではないでしょうか。

少なくとも、リベラルを自認するなら「愛子さまを天皇に!」と言う前に、「本人の意見を聞け!」と言うべきではないかと思います。

ちなみに、私は天皇陛下が「愛子を皇太子に」と仰れば、謹んで受け入れると断言しておきます。

陛下が仰ることには謹んで従う態度こそ保守の本分であると思っているからです。

喜ばしいことに、愛子さまは、令和時代にふさわしい壮麗で雅やかな皇女様にお育ちになりました。私も愛子さまのご人徳は重々承知しています。
だからこそ、国民みんなに愛される愛子さまがどうお考えなのか、そこをまずは知りたいと思うのです。


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