菅義偉“新”総理なら、愛子さま即位は絶望的か 宮内庁「国民の声も大切」と苦言



文/宮本タケロウ

安倍総理の辞任

安倍総理の突然の辞任により、巷では「次の総理大臣/自民党総裁は誰だ」という話題で持ちきりです。

当初は石破茂か河野太郎が有力化と思われたポスト安倍のオッズですが、昨日(8月29日)自民党の二階幹事長が「菅官房長官を支持する方針」を固めたことから、菅官房長官が次期総理の最有力候補に浮上しました。

筆者は、麻生太郎氏に近い人物から二階派の菅氏擁立に関する情報を事前に得ていたことからさほど驚きはありませんでしたが、菅総理大臣の誕生によって“皇統の男系継承”が確固たるものになると安心をしています。

そう、菅官房長官は「愛子天皇」の即位など一切考えておらず、“皇統の男系継承の重み”を常日頃から言明してきた人物です。

男系継承の重み

例えば、先週、河野防衛相の「女系容認発言」が話題になりましたが、これを受けた菅官房長官の発言はこうでした。

菅義偉官房長官は25日の閣議後の記者会見で、河野太郎防衛相の女系天皇も検討すべきだとの発言について慎重な姿勢を示した。「男系継承が古来例外なく維持されている重みなどを踏まえ、慎重かつ丁寧に検討する必要がある」と述べた。

「様々な意見があり、国民のコンセンサスを得るためには十分な分析と検討が必要だ」とも強調した。

日本経済新聞(2020年8月25日)

女系容認の発言を行った河野防衛相を牽制する発言です。

また、今年の5月にはこのような報道もあったことも思い起こされます。

 菅義偉官房長官のもと、『皇室典範改正準備室』が設置され、密かに有識者に意見を聞いてきました。有識者を役所に招くと目立つので、大学やホテルの一室、貸し会議室などで聞き取りが行われてきました」(官邸関係者)

 ヒアリングが終わり、これから始まる「論点整理」こそが、今後の議論の方向性をほぼ決定づけるだろうと、官邸関係者が続ける。

「さまざまな立場の有識者から話を聞いたとしても、それがすべて平等に論点に反映されるわけではない。そこには総理や官房長官の“強い意向”が働くわけです。大揉めに揉めて、結局は国民の理解を得られず先送りされた検察庁法改正案と同じように、コロナパニックで国民の関心がそれている間に、政府の“仲間内”だけで論点をまとめあげようという腹なのでしょう」

 世論調査ではおよそ8割の国民が女性天皇容認を支持する。しかし、そうした期待とは裏腹な結論になりそうだ。

(中略)

最近になって「安倍官邸がゴリ押ししようとしているのではないか」(前出・皇室ジャーナリスト)と指摘されるのが、「旧皇族男子の皇籍復帰」だ。安倍首相に近いとされる産経新聞と読売新聞が4月16日、「旧宮家の皇籍復帰について有識者からヒアリングしている」と同時に“スクープ”した。

「旧宮家の男子に皇籍を与える案だけでなく、年頃の男子を宮家の養子にする案、さらに愛子さまや眞子さま、佳子さまという内親王と結婚させる案まで出たそうです。すでに政府は旧宮家関係者にも、そうした案にどのような印象を持つか、意見をぶつけたといいます。かなり前のめりで論点整理されることが想定されます」(前出・皇室ジャーナリスト)

NEWSポストセブン「安倍政権 コロナどさくさで「女性・女系天皇潰しプラン」か」(2020年5月22日)

「旧宮家復帰」を本気で考えているのかどうかは不明ですが、少なくとも愛子さまの天皇即位は一切考えていないだろうということは分かると思います。

昨年11月の菅官房長官発言

昨年11月の菅官房長官の発言も追ってみたいと思います。

菅義偉官房長官は11日午前の会見で、「女性宮家」を容認する案が政府内で浮上しているとの一部報道について「承知していない」と述べた。

その一方、安定的な皇位の継承は極めて重要であり、女性皇族の婚姻による皇籍離脱で皇族数が減少している点にも言及。先延ばしすることなく、丁寧かつ慎重な議論の下で、国民のコンセンサスを形成することが望ましいとの見方を示した。

ロイター通信(2019年11月11日)

この後に、男系派で知られる古屋元国家公安委員長はこう言及しています。

自民党の古屋圭司元国家公安委員長は28日、党幹部から「女系天皇」容認論が相次いだことについて「安倍晋三首相、菅義偉官房長官の国会答弁が一番重い。今後、皇位継承の在り方を考えるのは政府だ」とけん制した。

時事ドットコムニュース(2019年11月28日)

「女系天皇」容認論について、男系派の古屋元国家公安委員長が「菅官房長官の国会答弁が一番重い」と言って女系容認論を牽制したわけですので、菅官房長官が女系天皇反対派であることは言わずもがなでしょう。

女性宮家にも「反対」

また振り返れば、菅官房長官は自民党が野党だった時代の2012年の衆院選のアンケートに「女性宮家に反対」とも述べています。

…………………

問15:(女性宮家)政府は女性の皇族が結婚した後も皇族の身分を維持する「女性宮家」の創設を検討しています。あなたは賛成ですか、反対ですか。

回答:2. 反対

…………………

一般に、愛子天皇の賛成派は、「女性天皇」に賛成するものの、小室圭さんと眞子さまが皇室に残る「女性宮家」には反対という方が多いですが、しかしながら、政治家は制度論としてその両者を分けて考えてはいません。

“女性が天皇になる女性天皇”に賛成する政治家は、“女性が結婚後も皇室に残る女性宮家”に賛成するというのが一般的です。

また、上記アンケートは2012年の衆院選時に行われたものですので、小室さん問題が浮上する5年前です。

よって、この時期に「女性宮家に反対」と答えた菅官房長官は同時に「女性天皇にも反対」だったということが間違いないでしょう。

愛子さま天皇即位は限りなく困難か…?

以上、菅新「総理」体制における愛子さま天皇即位の可能性について紹介してきましたが、政権が替わっても愛子さま「天皇即位」がいかに困難であるかがお判りいただけたかと思います。

何事も諦めが肝心かもしれませんね。ですが、さる宮内庁幹部は次のように語ってくれました。

「愛子さまの即位は上皇陛下の悲願でもあり、八割の国民が望んでいることです。国民の声も大切でしょう。民意を首相が無視するというのは、問題があるのではないでしょうか?」(宮内庁幹部)