「雅子さんをバッシングすればお金になりますよ」 黒幕は誰か? 平成後期の言論空間を振り返る



文/宮本タケロウ

順調な令和皇室

令和になり、ほぼ1年半が経ちました。懸念だった雅子さまのご体調も非常に安定・回復傾向にあり、愛子さまは無事に高校卒業・大学入学、上皇ご夫妻のお引越しも第一段階が無事終わりました。多くの国民は平穏な皇室の日常に安堵していることでしょう。

コロナ禍が収まれば、皇族のみなさまの素敵な笑顔をまた見れるようになるでしょう。その日が待ち遠しい人は多いはずです。延期となっていた立皇嗣の礼も11月下旬をめどに挙行することがほぼ内定し、ほっと胸をなでおろしている国民も多いはずです。あの眞子さまも9月16日には8カ月ぶりの外出を伴う公務(第67回日本伝統工芸展の作品鑑賞と授賞式出席)に出られ、佳子さまは27日にオンライン公務(第7回全国高校生手話パフォーマンス甲子園)に出られ、それぞれ素敵な笑顔を国民に向けられました。

数年前は、週刊誌やインターネット上にいわゆる「雅子さま・東宮家バッシング」が盛んだったことも今は昔となりつつあります。元宮内庁職員の小内誠一さんは「美智子さまがメディアをけしかけて雅子さまを攻撃させていた。令和となり美智子さまの影響力が無くなったから雅子さまも元気を取り戻された」と証言しますが、本当でしょうか?

麗しの佳子さま

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かつての雅子さまバッシング

今ではとても考えられませんが、一昔前までは下記のような暴言や誹謗中傷に晒されていたのが今上両陛下と敬宮殿下でした。

  • 「雅子さまは皇族としての自覚が足りない」
  • 「笑わない愛子さま」
  • 「皇太子は廃太子!秋篠宮が天皇になるべきだ」
  • 「東宮ご夫妻は離婚せよ」

大手週刊誌では上記のような非難が平然と語られ、インターネットの書き込みでも「平成が終わったら国民の気持ちが皇室から離れる」云々という意見が多数を占める…そんな非常事態に良識ある国民は眉をひそめていたのが、平成後期の皇室を巡る国民大多数の認識であったのではないでしょうか。

さて、今回は、記事のタイトル「雅子さまをバッシングすればお金になりますよ」にある通り、「雅子さまバッシング」が金もうけの手段だった平成後期の実話を紹介したいと思います。

「わりィ、雅子さま擁護はNGで!」(編集部)

「雅子さま擁護の記事を書こうとしたら、編集部からNGが入った…」

そう言うのはコラムニストの中森明夫氏です。

2014年に「アナと雪の女王」が公開された時、中森明夫氏は保守系雑誌『中央公論』から「アナ雪のレビューを書いてほしい」と頼まれたそうです。

そして、中森明夫氏は皇室への適応に苦しむ雅子さまを「氷の城に閉じこもる雪の女王」に見立てた考察(以下抜粋)を書きました。

私たちの国を代表する雪の女王がいた。そう、雅子妃殿下である。小和田雅子氏は外務省の有能なキャリア官僚だった。皇太子妃となって、職業的能力は封じられる。男子のお世継ぎを産むことばかりを期待され、好奇の視線や心ないバッシング報道にさらされた。やがて心労で閉じ籠ることになる。皇太子殿下がハンスのような悪い王子だったわけではない。「雅子の人格を否定する動きがあったことも事実です」と異例の皇室内の体制批判を口にされ、妃殿下を守られた。同世代の男として私は皇太子殿下の姿勢を支持する。(中略)

皇太子妃が「ありのまま」生きられないような場所に、未来があるとは思えない。

「中央公論」掲載拒否! 中森明夫の『アナと雪の女王』独自解釈

言ってみれば、「皇太子妃一人すらありのままに生きられないのなら、なんのための皇室なのだ?」という論考です。

「この論考の何が問題なのだろうか?」と思うのですが、なんとこの文章を『中央公論』編集部に送ったところ、「編集部の姿勢や質に合わない」と難色を示され、電話一本で掲載拒否を通告されてしまったといいます…!

ベテラン作家が唖然とした異常事態…

中森明夫氏はこの時のことを振り返って以下のように言っています。

「正直、啞然とした。(中略)私はライター生活30年以上です。新聞や雑誌などたくさんの出版メディアに文章を発表してきた。しかし、今回のような事態は初めてです」

論座(『アナと雪の女王』独自解釈、掲載拒否の怪)

掲載拒否を通告した『中央公論』編集部の感覚はおそらく以下のようなものだったのではないでしょうか?(「美智子さまの差し金」をと言う声もありますが、根拠が全く不明です)

  • ウチの読者層は一応右寄りだから「雅子さまサゲ」を好む
  • 雅子さまバッシングの方が煽情的で売れるんだから、擁護論なんか書かれたくない
  • 雅子さまがワガママで、皇太子さまが公より家族優先なだけなんだろう?
  • 雅子さまを誉めたら保守系の読者がら苦情が入る…

繰り返しますが、これは2014年の話です。つい数年前、令和が始まるたった5年前は、この「中央公論」の例のように、メディアでは「東宮バッシングが煽情的で売れる」という構図に陥っていたのです。

本当に驚くべき言論空間だったと思います。

バッシングのスライド…

それが令和になり、手のひらを返したように「雅子さま賛美」となり、皇太子ご一家へのバッシングが、今度は事実上の皇太子である秋篠宮家にスライドされているのが、現在の状況です。

私はこれについて、「日本人には“次期天皇を貶めたいという潜在的欲求”があるのではないか」と分析しています。

皇室とは言え、もちろん正当な批判は是々非々であってしかるべきです。が、過去の雅子さまバッシング・皇太子ご一家バッシングのような根拠のない批判のための批判は決して繰り返してはいけません。

それが平成後期の異常事態を乗り越えた令和皇室へのリテラシーなのではないでしょうか?

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