メディアはスルーしたが…皇室研究家が宮内庁長官発言から読み取った「皇室からのメッセージ」


■長官発言の背後に見えるもの

 現状では唯一の次世代の皇位継承資格者であられる秋篠宮家のご長男、悠仁親王殿下のご結婚相手はどうなるか。

 昭和の皇室典範で歴史上初めて採用された“一夫一婦制のもとでの男系男子限定”ルールが維持されたままなら、「必ず男子を生まなければ皇室そのものを滅ぼす」という、とてつもない重圧を避けられない。そんな条件下では、これまで繰り返し指摘されているように、ご結婚自体のハードルが果てしなく高くなる。

 今のルールのまま、失礼ながら万が一悠仁殿下が未婚のまま過ごされたり、ご結婚されても男子に恵まれられなければ、皇室はたちまち行き詰まる。

 だから、「男系の男子」限定を維持したままの小手先の皇族数の確保策では、何ら問題の解決にはならない。本気で皇位継承の安定化を目指すならば、ルール自体の根本的な見直しが不可欠だ。

 このようなインパクトの強いメッセージを、先の懇談会の初会合の直後のタイミングで、他でもない宮内庁長官自身が少し控えめな表現ながら、しっかりと打ち出した。そのように私は受け止めた。

 改めて言うまでもなく、宮内庁は内閣府に置かれた内閣総理大臣の管理に属する一機関に過ぎない(宮内庁法第1条)。その責任者である長官が、「皇位継承」という国家にとって極めて重い意味を持つテーマについて、岸田政権が目指す方向性に公然と「待った」をかけるような発言をしたことになる。

 問題の重大さに鑑みて、これを西村長官の独断による発言と考えるのは、無理がある。

 その背後には、畏れ多いが天皇陛下をはじめ皇室の方々ご自身のお考えがあると拝察するのが、自然ではあるまいか。

President Online 神道学者、皇室研究者 高森 明勅

天皇陛下とは国民からの尊敬の念を集めて、人徳が無ければ成り立たないと思います。
一家が自由に好き放題の道を造るのは如何な物かと感じます。
日本の顔としての皇族は批判されるのでは情け無いです。本来の国民と共に歩む姿勢を示され無いのであれば難しいと考えます。
天皇皇后両陛下の元に教えを頂いた愛子さまなら信頼を寄せておられます。

男女関わらず天皇の第一子が継承する、もし該当者がいない場合には親等の近い人から継承するではダメなのでしょうか。
それでも該当者なしの場合は天皇制の廃止でも仕方ないと思います。
時代によって慣習が変わるのも歴史を見れば当たり前のことだと思います。

直系長子である一番の必然性は「直系」である事。
悠仁さまは「傍系」であり、現在継承権があるのは単に男子だから。直系であっても女子には継承権自体が無い。然し乍ら、現行の「男系男子」が撤廃されると血統の一番正統な「直系」のままで継承される事になる。
万世一系は神武天皇以降全ての天皇のDNAの確証があってこそ成立するものであり、確証が無ければファンタジーに過ぎない。だからこそ戦後の象徴天皇制における天皇の正統性は現時点での血縁の濃さ、則ち現天皇の「直系」の「長子」という事になる。
皇統も戦前の政争に塗れた時代には男子である事に合理性があったが、政治と分離された戦後には性別など不問であり、無意味な男子限定により、時代と合わず寧ろ様々な弊害や不条理を生み出す「だけ」でしかない。
人としての自然の理に基く血統の正統順に回帰する事こそ、誰もが納得する国民統合の証、戦後の象徴天皇制の本当の在り方だと思う。

直系長子の場合、お一人以上お子様が生まれた場合、男女の別なく長子は皇太子、他のお子様は宮家になる。
即ち、身位を伴うことから必然的に長子は直系、宮家は傍系となると言う事。
現行の男系男子は男子にしか継承権が無く、女子は降嫁し一般人となるので、皇族数の減少は当然と言える。
然し男女共に宮家となれば皇族数の確保に繋がり、皇太子がお子様に恵まれない場合は宮家に皇統が移るので、必ずや男子を産まねばならないという地獄のプレッシャーからは解放され、ひいてはお子様を授からなければならないというプレッシャーも軽減される。
要するに現存の宮家を含めて全ての(降嫁した方は除く)皇族に皇位継承権が出来ると言う事。

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